こんにちは。「アーキHILO」代表の廣中です。
この業界にお世話になり、あっ!という間の32年。
「よーし、ここいらで、自分の建築屋を立ち上げたる!」 と思い至ったいきさつに、しばしおつき合いを…。
扱っていたのは、㈱INAXや東レ㈱、パナソニック電工㈱、 ㈱ウッドワン、旭化成建材㈱、ニチハ㈱など、国内主要 メーカーさんの、ありとあらゆる建材。
それらを大手ハウスメーカーさんに販売し、現場で施工 する。いわゆる下請け仕事でした。
中でも力を入れたのは、外壁や屋根なんかの外装工事。 タイル、サイディング、ALC、塗り壁、板金、瓦などいろいろな素材がありますが、指定通りのものをただ揃えて工 事するだけでなく、「こちらで外装のトータルデザインと 工事を引き受けます!」と、新規獲得の営業を実行。
結果、ありがたいことに、愛知県全域で1万棟以上を 手がける経験を積ませていただきました。
さまざまな経験を積む中、外壁だけでなく家の内部にも強く目が向き、アドバイスすることが増えました。使い勝手の良さを求められるシステムキッチン、浴室、トイレ、洗面台などの水廻りでは、生活動線をしっかりと反映させたデザインを。 また、ドア、フローリング、収納などの装飾についても。家に応じて様々な提案を、メーカーさんと連携して行えたのは、建築資材代理店だからこそできたことです。
現場に携わる者として常に心がけていたのは、“クギ1本まで徹底した完璧な工事をして、キレイな現場を保つ”ということ。
小さな釘だとか、現場が乱れているかどうかなんて、完成してしまえば分からないことです。けれど、そんな見えない部分に現れる“作り手の心”は、必ず家の出来映えにしっかり表れてしまうってことは、多くの工事経験から学んだ自分なりの教訓です。
その後、いろんな業者さんと関わっていくうち、外壁や装備品だけにとどまらず、家づくり全般=ハウスメーカーさんの建築請負にまで、仕事の範囲は広がりました。
お施主さんと話し合い、新築注文住宅をゼロからスタートし、すべてを引き受ける。責任の重大さと同時に、今まで以上のやりがいと、手応えを覚えずにはいられませんでした。
その頃から気になってきたのが“景観”。家だけでなく、帰宅するまでの道のりといった、環境までをも構築する、“ランドスケープデザイン”のことを知り、興味を抑えきれずに30歳を過ぎた頃、芸術大学へ入学。
街並みや景観を構成する、一つ一つの道路、街灯、建物などの要素がどんな視覚効果をもたらし、どんなイメージを作り出すのか。そこで身に付けた知識は、今でもわたしの“家づくり”に大きく役立っています。実際の仕事でも、植栽や家周りのデザイン、さらには1つの街ほどの大型分譲住宅の景観設計施工デザインまで、手がけることができました。
“家をつくる”ということは、そこに暮らす家族のみなさんの“家族としての喜び”に深く携わると言うこと。「家」は、家族みんながいろいろなことを感じ、かかわり合い、絆を深めていく所だと考えています。
家族のコミュニケーションを円滑にするための間取りや細かな工夫には、家を建てられる方、そのご家族としっかりコミュニケーションを図り、その思いを造り手の職人さんと共に、時間と手間をしっかりかけたいと思います。
「建築資材代理店として身につけた経験。芸大で身につけた知識。家族みんなが心豊かに過ごせる場をお施主さんと一緒に真剣に考え、自分だからこそ実現できる“家づくり”をしたい!」そんな想いがどんどんと大きくなり、ついに独立。
「アーキHILO」の創立に至った次第です。